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交通大學科技法律研究所劉尚志所長序之日文譯本

作者:章忠信
交通大学科技法律研究所劉尚志所長 序文
 
この人にしてしかもこの行い有るや: 忠信君の著作権信念に対する序文

劉尚志 交通大学 科技法律研究所所長 / 台湾科技法学会理事長

 章忠信君の著作権法における造詣については、改めて紹介するまでもないでしょう。何故なら、忠信君は長期に渡りインターネット上に著作権に関する知識を提供、指導してきたボランティアであると同時に大学において教鞭をとる学者でもあり、その存在は、専門分野においてすでに専門家及び公衆に認められているからです。しかし、忠信君がここに出版する「著作権逐条解説」の視点から、一人の著作権法の専門家としての忠信君の著作権理念とその行動について考察してみたいと思います。

このような本は売れるのか?

本書は長年ネット上で公開されていた創作を、出版社の申込みに応じて書籍化されたものです。一方で、すでにネット公開済の情報を本にまとめて販売し、他方ではネット上における知識の共有を依然として維持し続けます。非常に有り難いことに、ネット版の情報は定期的に更新されますが、書籍は、一旦、発行されれば、改訂されるまで非常に古い資料と化してしまうと言わざるを得ません。

完全に同じ内容をネット上で読者に無償提供し、同時に書籍としても発行するというこのような書籍を果たして何冊売ることができるでしょうか?おそらく誰しもがそのような疑問を抱くでしょう。現在、最も流行しているビジネスモデル概念を検討してみると、出版社の考えている事はよく分からないと考えるに違いありません。あまり利益追求が得意でない出版経営者に遭遇することもあり得ますが、しかしながら、背後に一定の理由がなければ、損を承知の上でそれでも商売をしようとする者を見つけることは容易なことではありません。この理由を推し量るのにあまり心を砕く必要はないでしょう。これには当然、作者の意志及び出版社が書籍を出版するに値すると判断したことが考えられます。何故なら、作者の評判及び学識により出版のブランドと名声を向上させることができるからです。

このような知的財産権が社会に与える影響はどのようなものでしょうか?

この半世紀、知的財産権制度及びエンフォースメントは、急速な発展の中にあり、この新たな規範は人類の歴史発展における財産権の境界と利用の基本概念を打破し、それは、当然に施行初期においては懸念と困惑を生じ、ひいては有識者との間に対立が生じました。

我々の知的財産権の発展に対する保護の必要性、及びこの制度が引き起こし得る過度の保護の懸念は、実のところ並存します。なかでも、社会の大衆に対する影響が非常に密接なものは、著作権でしょう。かつて知識は公共財産として皆で分かち合い、知識の伝達も無償であることが社会の発展に最も有利であると一般的に考えられてきました。ここ30年の反著作権運動 (counter copyright campaign) においては、様々な理念が錯綜する状況がみられます。中でも比較的知名度の高いものとして、例えば1980年代中期のフリーソフト(free software)、1990年代後期のオープンソース(open source code)、及び最近のLawrence Lessig教授の率いるクリエイティブコモンズ(Creative Commons)等が挙げられますが、これらはすべて権利の過度の発展下における再考と対抗であります。


社会の絶え間ない発展に伴い、我々には多くの制約と妥協が生じ、法律の制定及び施行にも影響を及ぼしています。そして、無形の創意と資産に対して、法的手段を除いては、我々はその他の効果的な保護方法をほとんど見つけることができません。

しかしながら、権利の強弱の長期の対立は、動態的な均衡、破壊、再均衡、再破壊の循環と発展を形成します。知的財産権の法的規範は、結局のところ、知的経済における産業競争と社会進化の基盤であるか、又は先進国家がその他の社会の進歩を制圧する足枷であるかは、我々は今後も観察を続け、実証的な分析研究による比較的客観的な情報の提供を待たなければなりません。しかし、我々が肯定できることは、有名無実は励行には及ばず、社会の進歩には観念の向上と文化が根付くことが必要であり、中でも無我と奉仕は常に観念向上と根を下ろす原動力となるということです。

この人ありて、この行いあり。

事物と人物を観察する場合、異なった視点から異なった解釈をすることができます。群体現象を一つの平均値をもって定数とし、人間性の相違をスペクトル的な多元と同視することで、現象に対する理解が比較的適切なものとなり得るのではないでしょうか。

忠信君は長期に渡って著作権法に取り組み、無数のネットユーザーの質問及び意見交換が加わって、すでに彼独自の見解が形成されました。例えば、著作権保護のレベルを二つの極端な見解に分けるとして、一つは完全に著作権者を支持、もう一つは完全に社会大衆(又は利用を希望する非権利者)を支持する見解があるとすれば、忠信君の著作権理念はどこに分類されるだろうか。私は、これらの中間に立つ権利保護であると思います。権利の発展には、例え欠陥があろうとも権利保護は必要であり、且つ強化しなければならないものです。

忠信君はその名前のとおり、忠信君の知識の共有と普及の活動から覗い知ることができます。忠信君の行動原則は権利保護及び拡張をまず提唱する際に、加えて自己の知識才能を無心に貢献することを選択することです。これは、我々の社会模範ですが、社会の常態ではありません。大勢の人間の中でも、このような行動はごく一部の者しか実行することができないのでありまして、忠信君は、このように知識理念と社会価値を融合し、成就させました。

この「著作権法逐条解説」は、作者の長年の知識の結集です。逐条解釈というものは、そもそも一つの条文だけを解説すればよいというものではありません。まず、第一に法制の発展及び体系を把握してから、個別の条文に対し注釈を行って初めてその効果が得られるものです。ある組織のリーダーが細部及び基層まで十分に理解し、大局に着眼しつつ、小さなところから取り掛かるのと同様です。忠信君は本の出版はこれが初めてではなく、これまでの著作には、例えば「著作権法的第一堂課」、「著作権博識500問」、及びネット版の著作権の解説がありますが、これらはすべて専門知識と販売需要の特徴を兼ね備えています。我々が目にしているこの新たな著作が体現するものは、法律知識だけでなく、社会脈動の良知と貢献なのです。
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